虐待や保護者の病気、経済的事情などで家庭養育を受けられない子どもは、乳児院や児童養護施設、里親家庭やファミリーホームなどで生活しています。
子どもの成長過程では特定の信頼できる大人との間で愛着形成が重要とし、2016年児童福祉法が改正、家庭的環境である里親等での養育優先が原則とされました。里親制度の普及啓発、里親に対する相談支援や研修、新規開拓業務について道の姿勢を質しました。
制度の普及啓発に工夫を!
道所管では2022年度で里親登録数は606世帯。委託率が34・8%となっており、里親の年齢構成では60代が38%と一番多くなっています。
丸山道議は今後、高齢化が課題となることを指摘し、里親登録数を増やす普及啓発の重要性を訴え、チラシ、ステッカー、カード等の作成、ポスターの公共施設や商業施設などでの掲示について問いました。虐待防止対策担当課長は「北海道里親会連合会との連携で、一般人参加のパネルディスカッションの実施など新規開拓に取り組んでおり、今後は他都府県の事例を参考に制度の周知に取り組んでいく」と答えました。
養育里親に育児休業を
丸山道議は里親支援に取り組む団体の「里子を迎え入れるに当たって一定期間その子と向き合う時間が必要であり、養育里親にも特別養子縁組や養子縁組里親のように育児休業を活用できることが切実な願い」の声を示しながら、家庭的養護推進に向け養育里親等の育児休業取得に取り組むべきと求めました。道は養育里親等育児休業の必要性について認めながらも他の自治体と共同で国に提案しているとの答弁にとどまりました。
「里親制度」社会全体に周知が必要
子ども政策調査特別委員会質問に先立って、札幌市内の里親支援団体(興正フォスタリングセンター)を訪ねました。
里親には養子縁組ばかりでなく、児童の戸籍はそのままとし、里親家庭で児童を育てる養育里親等の下で家庭的養育を受け、実の親元に戻る児童もいます。
団体では、里親制度の周知・登録の推進や研修を実施、里親になってからも里親だからこそ生じる悩みや、里子の自立などに対する支援をします。
しかし”家庭的養育を里親の下で”と言っても課題は多く、里親になろうとする人ばかりでなく、社会全体が里親制度を理解する必要を感じました。