本年(2024年)3月までに北海道電力伊達火力発電所が休止する影響で、来年度「道栽培漁業伊達センター」での「マツカワ」の種苗生産が継続の危機に直面しています。
丸山道議は今後の道の対応などについて質しました。
飼育用の海水提供を受けている「道栽培漁業伊達センター」
高級カレイマツカワは、伊達市にある「道栽培漁業伊達センター」で種苗生産され、日高管内から函館市にかけての「えりも以西太平洋海域」で毎年放流されています。
伊達センターでは飼育用の海水を北海道電力伊達火力発電所から無償で提供を受けており、自前の取水施設はありません。
今年(2024年)3月に伊達火力発電所が休止することで海水の供給が止まればマツカワの種苗生産が出来なくなります。マツカワ漁獲量の確保を支える、年間約100万尾の種苗生産事業
かつては、年間1トンにも満たず「幻の魚」とまで言われるほど漁獲量が減ったマツカワは、2006年度に「北海道栽培漁業伊達センター」で100万尾の種苗生産が開始されました。2008年の漁獲量は126トンとなり、以降順調にその量を伸ばしていますが、2020年頃漁獲量が減少した時期があります。丸山道議はその理由を質問しました。
水産振興課長は「本道のマツカワ資源の9割が人口種苗放流によるものとされ、道内では100万尾規模の放流を継続し、近年の漁獲は160トン前後で推移している。2017年に伊達センターにおいて稚魚の大量へい死が発生し約7万尾の放流にとどまったことが、2020年の漁獲量減少の主な要因と考えられる」と答弁。種苗生産を休止すればマツカワの漁獲量は大幅に減少し、漁業経営にも大きな影響が生じるとの認識を示しました。
地元から届いた種苗生産継続を求める声
丸山道議は、地元の「えりも以西栽培漁業振興推進協議会」から、道と道議会に対し種苗生産と放流事業の継続について要請があったことを示し、道の対応を求めました。
水産基盤整備担当局長は、マツカワの資源造成のためには、伊達センターでの種苗の安定的な生産、放流の継続が重要との認識を示しましたが、今後の事業にむけては、関係各所と連携しながら北海道電力と協議を重ねるほか、新たな取水方法や他センターとのバックアップ体制など総合的に検討するとの答弁にとどまりました。