次世代半導体メーカー「ラピダス㈱」。知事がトップセールスを行うなど誘致を促進してきた北海道。党道議団は議会議論で、ラピダス誘致における検討記録を公文書として作成していなかった問題を追及してきました。丸山道議の質問で、ラピダス誘致にあたり特有のメリットや課題について、道が誘致を行う以前に検討すらしていなかったことが明らかになりました。
経済効果や環境、人材確保の影響は?
誘致を巡っては、ラピダス特有の経済効果はもとより、環境への影響、電力調達方法、人材確保のメリット・デメリットを検討し、有益と判断されれば道としての誘致を決定するのが本来のあり方です。知事は「庁内で打ち合わせを行ったなかで、トップセールスの実施を決定した」と答弁するも、道が誘致そのものを検討するにあたっての検討過程があきらかにされませんでした。
丸山道議が「ラピダス誘致に伴う特有のメリット、問題点について道庁内で何ら検討していなかったということなのか」と迫りましたが、鈴木知事はまともに答えられませんでした。
道民に説明できない行政の意思決定
丸山道議は「多額の税金を投入して誘致を行う以上、メリットはもちろん、課題整理を行った上で誘致の是非を判断することは行政としての当然の行為」「この過程がなければ、道の事業執行の正当性を道民に説明できない」と強調。「今からでもラピダス誘致に伴う特有のメリット、課題点を整理し、道の半導体振興ビジョンに明確に盛り込むべきではないか」と求めました。知事は「地域や事業者のニーズや懸念も踏まえて検討をすすめる」と答弁しました。