日本共産党道議団は2023年6月12日から14日にかけて、帯広市、中札内村、士幌町、鹿追町を訪れ、特別支援学校の実態や飼料・肥料の高騰等の環境下にある酪農経営の現状や家畜の糞尿等を活用したバイオマス発電等について視察しました。
老朽化対策急いで特別支援学校を視察
帯広市、中札内村では特別支援教育の実態について調査をしました。特別支援教育の児童生徒が増加する一方で学校の施設整備は進んでいません。帯広養護学校では2015年に訪れた際には壁が落ちた天井から雨漏りがして、すぐには修繕が行われていなかった部分がこのたびの調査では改善されていました。しかし、寄宿舎の畳は予算不足で張り替えが出来ず給食室の狭隘化で必要な給食が提供できていない実態もわかりました。中札内高等養護学
校の築41年を迎えた校舎では雨漏りに悩まされています。
寄宿舎は4人部屋でプライベート空間はカーテン一枚で隔てられているだけ。車椅子を利用する生徒のためのバリアフリー対策も十分進んでおらず、校舎と寄宿舎の老朽化対策は急務です。LGBTQの生徒さんへの対応等課題は山積みです。
道議団は「思春期の生徒が暮らす寄宿舎のプライベート空間は自立にとっても必要」。
障害者差別解消法で規定する「障害に対する合理的配慮」が教育現場でも求められているが「施設整備が追いついていない現状を変えていくことが必要」と確認し合いました
酪農継続への実効ある支援を
士幌町川口牧場を訪れた視察団は、飼料・肥料高騰、需要減、雄子牛の価格低落などで酪農経営が極めて厳しい現状を目の当たりにしました。
牛の糞尿を活用したバイオマス発電の他、圧搾した糞尿を発酵させて敷き藁に再活用し、液肥は減肥のための自給肥料にと、資源循環型の取り組みを進めるも、経営は厳しいままです。
バイオマスガスは電気だけでなく高級マンゴーも作り出す
鹿追町では、家畜の糞尿や生ごみといったバイオマスを発酵させ、発生するガス(バイオガス)を利用して電気や熱エネルギーをつくる鹿追町環境保全センターを視察しました。
一日の発電量は約6000kWh/日、一般家庭600戸分の電気使用量に相当します。また、発電で得られる熱エネルギーを活用し、チョウザメの養殖やさつまいも、マンゴーを栽培。季節をずらして11月から収穫できるマンゴーの価格は5万円にも。今、花が咲く前の手入れの日々が続いています。