大阪の事業者が釧路湿原国立公園周辺の所有地について、森林法上、道の許可が必要な0.5haを超える伐採をしていることが判明し、道は工事中止を勧告。さらに周辺湿地の大規模な盛り土など、複数の法令違反の恐れがある件で、道議団は調査のため釧路市に向かいました。
埋立て地の約200メートル先には猛禽類医学研究所
最初の視察先、環境省釧路湿原野生生物保護センター内では、猛禽類医学研究所所長の齊藤慶輔代表、渡辺有希子副代表よりお話しを聞きました。ともに獣医師であり、問題の事業者は野生生物の調査が不十分なまま工事を進めており、その騒音により施設が保護している猛禽類がストレスに晒されているとのことでした。
キタサンショウウオの生息地でもある釧路湿原、原状回復は?
盛り土の土は、由来も有害物質の有無も不明、取り除いたとしても湿地の原状回復には、「私たちの世代では無理ではないか」と齊藤先生は語りました。
釧路市役所に場所を移し、市環境保全課に加え、市立博物館館長から、釧路市指定の天然記念物キタサンショウウオについて伺いました。キタサンショウウオは、絶滅危惧種にも指定され、その生息域は釧路湿原と北方4島の国後島などごくわずかです。
調査は市が求める2年の期間を満たしていないなど不十分です。工事中止要請が続いているなか、厳正な対応を道に求める考えを伝え、視察を終えました。

