泊原発では、津波が発生した場合、津波到達想定時間内に、核燃料等輸送船が安全な場所まで退避できないことが、大きな課題となっています。北海道電力が原発構内の港の使用をやめ、新港建設の考えを示したことを受け視察に行きました。
~停止から12年、新安全基準満たさず、いまだ再稼働できず~
泊原発は2012年5月、定期点検のため3号機が停止。2013年7月8日、福島原発の事故の教訓や世界の最新知見を踏まえ、原子力規制委員会が策定した「新規制基準」が施行されたことを受け、北海道電力は安全対策を進めてきましたが、停止から12年たった現在も新基準を満たさず、再稼働できません。
~津波到達想定時間は約14分 核燃料輸送船の港外退避案では回避困難~
泊原発は、地形の影響などで地震発生後に津波が起きた場合、到着までに最短で約14分しかなく、その前に輸送船を原発敷地内の港から構外へ退避させる「緊急退避」案について規制委員会は再検討を求めていました。
北海道電力は、2024年8月の原子力規制委員会の審査会合で、核燃料輸送船の津波退避策について、泊村内に新港を整備して船を原発構内に入港させない方策を提示しました。
また岩内港の使用を検討する考えも示しています。
~改めて示された再稼働ありきの姿勢~
丸山はるみ道議は、泊村にある原子力PRセンターとまりん館で、泊原子力事務所広報課長でもある伊藤センター長と懇談。
津波発生時の核燃料輸送船の退避は困難だとされたことで、再稼働断念の検討をしたのか尋ねました。
伊藤センター長は、泊原発は再稼働に向け新安全基準を満たす対策を進めていると説明。やはり再稼働ありきと言わざるを得ません。
その後丸山道議は、泊原発近郊の新港建設が予想される地区を視察。輸送船入港のための大型工事にともなう自然破壊も危惧されるところです。